トラリピの週実績が悪かったが、取引は行われているのか?
ブログ名で「分かってないまま」と銘打っていますが、これは市場予測を行わずに運用を続けていきたいという意識の現れです。
市場予測無しでも、レンジ相場の通貨ペアに対して長期運用を行うことで、利益を積み上げていくことを基本戦略と考えています。
とはいえ、完全に放置して利益を生み出せなくなってしまってはトラリピを行っている意味がありません。
そこで、 このブログを開始してから一番悪い成績となった2020/10/12の週の実績を受けて、トラリピ設定が妥当なのかを確認してみようと思います。
値動きはしていたのか?
トラリピであれ、裁量取引であれ、値動きがなければ利益を生み出すことは出来ません。
そこで、このブログ開始時の2020/09/07からの値動きの指標として、各通貨ペアのTRを確認してみます。
各通貨ペアのTR推移グラフ
上のグラフが一日毎のTRを単位pipsに統一して推移を示したものです。
データが纏まっていなくて分かりにくので、変則的かと思いますが纏めたグラフを確認します。
一週間毎のATR推移グラフ
上のグラフでは各通貨ペア毎のTRを全て合計したものを一つのTRとして扱っています。さらに、そのTRを一週間分で平均をとりATRとし、そのATRの推移をグラフとしています。*1
グラフを見ると、確かに2020/12の週のATRは他の週と比べると低い値です。
しかし、大きく乖離はしていないので、値動きはあったいっても差し支えないでしょう。
値動きはあったのであれば、トラリピは取引を行っていたのか?
週実績は悪かったが、値動きはしていたのでトラリピの設定レンジから外れていないのであれば、取引は行われるはずです。そこで、一週間毎のトラリピの注文回数を確認します。
一週間ごとの取引回数
上のグラフでは、オレンジが決算回数、青が新規注文の回数を示しています。
グラフを見ると合計の回数自体は2020/12の週もありますが、決算回数は少なめです。
まとめ
値動きはあり、取引自体も行われていたので、トラリピが働いていないわけではない。週実績が悪かったのは、決済注文の比率が低かった為といえるでしょう。
トラリピは買い注文を仕掛けたレンジ内で値が下がっていくと、このように新規注文が積み重なっていきます。また、その逆に売り注文を仕掛けたレンジ内では値が上がっていくと新規注文が積み重なっていきます。
これらは含み損が積み重なっていく結果を生みます。しかし、レンジ相場であるのなら、いつか値動きが反転するはずです。その際には持っていたポジションが続々と決済され利益を生み出してくれるはずです。その値動きの反転が起きるまでロスカットが発生しないように、口座残高や注文証拠金を管理していく必要が有るでしょう。
*1:このように異なる通貨ペアのTRを足してしまうことが正しいかと言われると怪しいのでご注意ください。
トラリピ実績 2020/10/12の週 17,729円
実績表
2020/10/12の週
AUD/JPY | AUD/NZD | AUD/USD | CAD/JPY | EUR/JPY | NZD/JPY | NZD/USD | USD/JPY | 総計(円) |
0 | 3,914 | 0 | 0 | 9,905 | 3,080 | 0 | 830 | 17,729 |
実績について
今週の実績は17,729円でした。
このブログを書き出してからの一週間の実績が約3万円で推移していたことを考えると、悪い結果となりました。
といっても、基本的に放置している運用の為、値動きが少なかったのかだけかと考えるところでもあります。
とはいえ、このまま放置して、より成績が悪くなってしまうは困ります。
一週間毎のATRと実績を比較し、トラリピ設定の利益金額が適正か確認した方が良いかもしれません。
トラリピの設定をどうすればいいか
ざっとしたイメージですが、以前にトラリピの事を記事に書かせていただきました。
今回は、トラリピの設定で必要となる項目について、どのように決定していくかを記事にしていきます。
トラリピの設定項目
トラリピの注文をする際には、以下の内容を決める必要があります。
・レンジ相場になっている通貨ペアを選択
・注文金額(ポジション1個あたりの通貨取引量)の決定
・トラップを仕掛けるレンジ(範囲)の決定
・仕掛けるトラップ本数の決定
・利益金額の決定
レンジ相場になっている通貨ペアを選択
まずレンジ相場とは、簡単にいうと「一定の範囲内で値動きがある」相場のことです。
レンジ相場になっていない例
まずレンジ相場になっていない例として、「MXN/JPY」のチャートをみて見ましょう。
上図は「MXN/JPY」の2005/01からのチャートです。値動きの上下こそありますが、長期的にみて右肩下がりとなっています。
この様な通貨ペアは今回想定しているハーフ&ハーフ戦略に適しません。
レンシ相場になっている例
レンジ相場になっている例として、マネースクウェアさんで最強通貨ペアと紹介されている「AUD/NZD」のチャートを見てみましょう。
上図は「AUD/NZD」の2005/01からのチャートです。赤枠で囲った範囲がマネースクウェアさんの「1クリック設定」で設定されている範囲です。確かに、見るからに一定の範囲内で値が上下していることが分かります。
しかし、ここで注目したいのは全体を囲った青枠です。2005/01からの約15年間全体が一定の範囲としても見えます。
ここで、レンジ相場として見る範囲を赤枠とするか青枠とするかが、リスクの大小に関わっててきます。これについては、「トラップを仕掛けるレンジ(範囲)の決定」の項で説明していきます。
注文金額(ポジション1個あたりの通貨取引量)の決定
これについては、以降の説明で出てくる運用資金の話が関係します。
しかし、私と同様に副収入としてトラリピを運用していく方は、トラリピでの最小取り扱い数量である「0.1万通貨」とするのが良いのではないでしょうか。
運用を続けていく中で、資金面に余裕がある場合には取引数量を増やしていくのも選択肢に入るでしょう。
トラップを仕掛けるレンジ(範囲)の決定
上図は、レンジ相場であることを確認した際の「AUD/NZD」のチャートです。その際にも軽く、レンジ相場として赤枠と青枠のどちらの範囲を考えるかと触れていました。このレンジ相場として見る範囲がトラップを仕掛ける範囲そのものとなります。
赤枠と青枠のそれぞれを選択した場合について、どのような違いがあるかを順に見ていきましょう。
リスクについて
結論から言うと、青枠の方がリスクが低いと考えられます。
理由としては、赤枠は5年間の推移、青枠は10年間の推移を示しています。すると、期間の長い青枠のほうが当然レンジ幅が広くなっています。
・青枠 概算で幅「0.37」(1~1.37)
・赤枠 概算で幅「0.14」(1~1.14)
想定しているレンジが広いとうことは、今後の運用時に、値が想定レンジから外れる可能性が低くなります。
大きく想定レンジから外れることは、その間利益を生まないどころか、含み損が膨らみロスカットへと繋がる危険性があります。
以上のことより、青枠(10年間考慮)の方がリスクが低いと考えられます。
必要運用資金について
こちらも結論からいいますが、青枠のほうが多く必要となります。
理由は、トラップを仕掛ける範囲が青枠の方が広いからです。単純に値幅を見れば、青枠は幅「0.37」、赤枠は「0.14」であり、青枠は赤枠の2.5倍以上の幅を持っています。
これは、赤枠の設定を、単純に青枠へ広げようとすると、必要資金が2.5倍以上必要になることを示唆しています。
利益率について
ここでは、想定しているレンジで値が動き続けていくことが前提で話を進めます。
すると、同一の運用資金をした場合には、青枠の方がより良い利益を生み出します。
理由は、青枠の方が幅が小さいことから説明できます。同額を運用資金とした場合には、仕掛けるトラップ本数は同じと成ります。
トラップの数が同数となると、幅が小さい方がより密にトラップを仕掛けておくことが出来ます。その為、青枠の方が、より多くの注文が行われるので利益率が良くなるのです。
しかし、想定レンジから値が出てしまったら利益を生み出すどころか含み損が膨らんでいく一方です。利益率を高めるということは、リスクも増大してしまうということは念頭に置いておくべきでしょう。
仕掛けるトラップ本数の決定
トラップ本数は多くすれば多くするほど利益を生み出せる可能性が増大します。
しかし、トラップ本数を増やすと必要運用資金も増大していきます。運用資金に見合わないトラップ数を入れてしまうと、ロスカットの危険性が増してしまいます。
トラリピには注文時に「トラリピのリスクを試算」という機能が有ります。下図は「1クリック注文」で「AUD/NZD」の買い注文をした際のリスク資産です。
この機能を使いロスカットされる水準を事前に把握することで、不用意にリスクを増大させることを防ぐことが出来ます。
引用元:
利益金額の決定
これは、注文した各ポジションの評価額が、幾らになったら決済するかという設定です。
この額の設定基準については、以前の記事にあるように「ATR」を参考にするのが良いでしょう。
ただ、あくまで「ATR」は過去のデータから算出しているので、今後の未来にどの程度即しているかというとなんとも言えません。
現状、私は「ATR」をほぼそのまま使用していますが、何か補正を掛けたほうが良いか、または別の指標を使用した方が良いか等、分かり次第記事にしていきたいと考えています。
まとめ
本記事で、一応トラリピ注文に必要な項目については大雑把に説明しました。
しかし、設定レンジ内で「買い注文」と「売り注文」を両方入れる「ハーフ&ハーフ」まで説明できていません。
また、「トラリピのリスクを試算」では設定と運用予定資金からロスカット水準を算出してくれますが、設定とロスカット水準から運用予定資金を算出したい場合には若干使いづらいです。その為、運用予定資金の算出方法については追って記事にしていきたいです。